全米人材開発協会ASTD2010年次総会から見た

「ユーザー志向のラーニング2.0の時代!」

全米人材開発協会ASTD2010年次総会の視察報告書の中から、一部抜粋しました。

韓国からの参加者が、日本の何と4倍になったことが意味するものは!
 全米人材開発協ASTD2010年次総会が、2010年5月16日-5月19日、シカゴで開催された。昨年は、新型インフルエンザの影響もありましたが、今年度は、例年通りの約8500名の参加者が集まった。
 その中でも、韓国は、400名近い参加者で、日本からの何と4倍の人が参加しており、正しく加熱状態と言える。特にサムスンは何とグループで35名を送りこんでいるのと比べると、企業の予算削減の余波で、個人参加が目立つ日本企業は、熱心さで格段の差があると言える。
 数年後の企業の活力、特にグローバルビジネスにおける競争力では、一層の格差が目立つ様になるのではないかと実感した。日本企業が生き残る道は、グローバル市場での成長戦略であると言う方針があれば、ユニクロの様なグローバル戦略も可能になるのですが。 
 昨年は、バリュー・イノベーションをテーマにしたブルーオーシャン戦略が紹介されたが、今年は、「ハイコンセプト、新しいことを考える人の時代」、モチベーションをテーマにした「ドライブ」のイケメンのベストセラー作家、ダニエル・ピンクが基調講演を行った。日本人には、非常に重要なテーマでしたが、日本人より韓国人、台湾/中国の人が沢山いて、更に意識の格差が広がるのではと懸念している。



進化した新プラットフォームが、与えるインパクトとは?
 昨年は、インフォーマル・ラーニングと称して、新しい形の学習する職場づくりが、注目を集めましたが、今年は、従来のWeb 2.0から、更に発展したラーニング2.0に進化し、制約が多かったE-ラーニングを更に飛躍させようとの試みでもある。
 その中で、Social Mediaの果たす役割は更に高まり、大きな進展が見られました。これらが、ソーシャル・ラーニングとして、発展する原動力になりました。従来型のWeb2.0のビジネス利用が更に進だこともその要因である。
 欧米では、情報共有を実施するためのプラットフォームとして、MS,Google,アップル等が独自のプラットフォームを提供し始めたのを始め、セールスフォース等の貢献も寄与した。これもクラウド系の発展が貢献していると言える。
 オバマ大統領が活用したことで有名になった機能制約つきのブログ、ツイッターのビジネス利用や、YouTubeのビジネス使用も急速に進んだ。またiPhone、iPadの急速な普及により、全く新しい活用事例も増えており、大きなインパクトを社会に与えている。
 6月には、iPhone4の発売が開始され、携帯Wifiでのテレビ会議が手軽に行えるようになり、新たな時代の幕開けとなる。これらの分野では、勝ち組、負け組の明暗が、比較的早くつくのが特徴だ。今後は、多くの戦略的提携も進展し、大きな発展が期待できる。
 ASTDでは、従来のEラーニングから、ラーニング2.0ソーシャルラーニングへの飛躍を期待して、調査報告書を数種類発表した。今後も、この分野に、力を入れていくことへの決意表明とも言える。

ユーザー/顧客志向に徹するラーニング2.0
 それでは、ラーニング2.0の基本概念とは、具体的にどんなものなのであろうか?
重要な点は、ユーザー志向、顧客志向に徹している点です。文字制限をつけても、使いやすさ、興味を引くための工夫があり、テーマ別に賛同する参加者とのリンクを可能にし、更なる意見の広がりを可能にした。
 特に、有名人が実名で論調を貼るサイトは、人気が高まったが、一部なりすましも存在することから、情報の信憑性には、多くの課題がある。これをどのように是正し、実務に活かせる情報、事例、ネットワーキングが可能になるかが、継続出来るかどうかの試金石になる。サイト上では、従来より、一層簡単に効果測定/検証も可能になるが、それをどのように監督、運営、見える化していくかが最大の課題になる。
 ラーニング2.0が効果を引き出せるかどうかは、少なくとも2つの条件が必要である。一つは、オンラインでもオフラインでも、キーワードによる検索が可能なことであり、そのためには、信頼出来る情報の存在が、不可欠となり、更には、オンライン、オフラインでも信頼出来るメンター(支援役)の存在である。
 有識者、或いは、その道の権威、地域の有力者が、実名でどれだけ参加しているかが、重要な要素にもなる。その場合でも、自分の主張を押しつけるタイプではなく、皆の意見を傾聴出来るメンター(支援役)の存在が重要になる。

外発的動機づけから、内発的動機づけ(モチベーション3.0)に転換せよ!
  今年のASTD2010の基調講演をしたダニエル・ピンク氏は、あのクリントン元大統領が卒業したエール大学ロースクールで、法学を勉強し、ゴア元副大統領のスピーチライターとして活躍した。その後は、作家に転向し、今ではベストセラー作家として活躍している。
  日本では、「ハイコンセプト、新しいことを考え出す人の時代」(三笠書房、大前研一訳)で、おなじみではないですか? この本は、世界20か国語に翻訳された。政治や法学で人々を救えると思って、当初は、法学を勉強したものの、現実の社会では、個人や現場の意識改革が一番必要なのだと気づき、これを実現するため、作家として活躍する決心をした。
 2009年発売の「Drive: The Surprising Truth About What MotivatesUs」〈日本では、「モチベーション3.0、持続するやる気をいかに引き出すか!」)では、従来のモチベーションやインセンティブの手法で果たして良かったのかを痛烈に指摘している。これからは、外発的動機づけ(モチベーション2.0)を一層効果の高い内発的動機づけ(モチベーション3.0)に徐々に転換することが必要になる。
 具体的には、夢や挑戦を促し、キャリア達成を支援する職場づくりを進めることである。まるで、メンタリングを職場で実践することと同じ世界です。最初から、自らの動機づけが、自分で出来る訳ではないので、必要に応じて、職場でメンタリング・プログラムを実施するなどして、自律人材の育成を組織的に進める必要がある。これが軌道にのれば、モチベーション3.0が、漸く実現出来るようになる。従い、2.0から3.0への転換は、決して、放っておけば、自分で出来るものではない。

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