■2019年9月24日 飛躍的成長を遂げる秘訣とは?
6月23日から26日まで、グローバル人財マネジメント関連で、世界最大の祭典、SHRM 2019コン
ファレンスが、ラスベガスで開催された。
その中から、注目されるセッションのいくつかをご紹介します。
詳細は、9月30日開催のJSHRM 月例会で解説します。
なお、SHRM2019コンファレンスの基調講演に関しては、こちらをご覧ください。
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1. 飛躍的成長を実現するためのHR4.0とは?
2. 1500名規模の企業でもホラクラシー組織が成り立つのか?
3. 欧州、中東でもザッポニアン企業が増加中
4. 北米企業12業界の22%が人財分析を戦略的に活用する企業が増加
5.第60回 戦略的人材マネジメント研究会:2018年9月30日(月))開催
SHRM2019コンファレンス 視察報告会(JSHRM 9月 月例会)
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1. 飛躍的成長を実現するためのHR4.0とは?
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世代の交替、インターネットの急速な普及やHRテックの発展により、人事・人財開発に対する期待は
急速に変化し、その役割は増大している。
従来の人事の業務も、管理監督型から、マネジメント支援、ビジネス支援に進展し、近年は、飛躍的成
長を可能にする抜本的な意識改革と、戦略的提携を含めた、戦略的取り組みを各事業部と協力して、実践
していくことが求められる。
管理監督するのではなく、社員すべてが、ワクワクする協働の職場が求められている。
これらすべてを実現することで、飛躍的成長を可能にするHR4.0が、今求められている。
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2. 1500名規模の企業でも、ホラクラシー組織が成立するのか?
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インターネットで、靴、衣服、カバン等を販売するザッポスの成功話を聞いたことがありますか?
日本でも、ザッポス関連の本が増えてきたので、ご覧になった方もいるかと思います。
金融危機の2009年にアマゾンの傘下に入り、アマゾンからの資金的支援を受けましたが、彼らの独自
の企業風土はそのまま維持された。
2015年からは、アマゾンの企業風土に転換するどころか、逆にホラクラシー組織の概念を全社的に
取り入れた。
ホラクラシーとは、従来型の階層型組織を、複数のサークルにより構成される、フラットな組織であ
る。企業運営ごとに、サークルが結成され、その中で、構成員が各自の権限と責任を持って仕事をする体
系です。これは、上司不在の経営体制と言われ、これに馴染まない約14%の社員が自主退職した。
1500名を超える企業で、これが実現できたことは、画期的な成功事例になります。
すでに、同様な企業風土が、ザッポスに育っていたことが、最大の成功要因と言える。
もし、従来のザッポスの企業風土の下地が無いトップダウン企業に、ホラクシーを突然導入しても、ザ
ッポスのような成功はない。
それだけ、ザッポスの多くの社員は、すでに自律し、自分なりのやり方を確立していたことになりま
す。それを楽しく感じ、心地よい労働環境だと感じるようになった。
ホラクシーを導入するには、日頃から、マネジャーやリーダーが、社員の自律心を高め、成長意欲を引
き出す職場環境があってこそ、実現が可能になる。
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3. 欧州、中東でもザッポニアン企業が増加中
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SHRM 2019では、建築業界のザッポニアンと言われるスペインのCosentinoの事例が紹介されてい
る。
グローバルでの成長を目指しており、その実現には、やる気のある優秀人財が不可欠になり、グローバ
ル タレント マネジメントが導入されている。彼らの特徴は、入社以前の候補者に対しても、タレント
マネジメントの対象にしている。
彼らには、Impulsaという教育機関があり、英語を共通言語として、建築家を目指す若い人材を育てて
いる。
返済不要の奨学金があり、Cosentino DNAを叩き込み、優秀人財を優先的に採用をしている。
日本のトヨタ自動車、韓国のサムスンでも同様のことしていますが、スペインの中小企業でさえも、こ
のような教育環境作りをしているからこそ、企業ブランドが決して高くない企業でも優秀なグローバル人
財を獲得でき、グローバル成長ができるようになった。
また、中東、ドバイのシンクタンク、Tanfeethでは、IBMと協力して、People analyticsに長年取り
組んでおり、SHRM2019 コンファレンスでは、People analytics for beginnerとして2回の講演
を行い、たくさんの人が参加しています。中東の多くの企業は、People analyticsに興味を持ち、この地
域では、多くの実績があるとのことだ。
また、元政府系の銀行であったオーストラリア第二の市中銀行が、People analyticsを導入して、従
来の企業体質の意識改革を如何に行ったのかを、SHRM2019で報告している。
従来型の保守的な日本の銀行よりも、社員の意識改革が進んでいそうですね。
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4. 北米企業12業界の22%が人財分析を戦略的に活用する企業が増加
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LinkedInは、採用に特化したSNSとして、実績があるが、彼らが発表した報告書(The rise of
Analytics in HR)では、北米の12業界では、平均22%が、何らかの形で、HR analyticsを導入
していると報告している。
金融業が多いニューヨークやシリコンバレーとして有名なサンフランシスコ地域では、HRテックに対
する関心が強く、People Analyticsの導入率が特に高い。
例えば、女性人材に対するマネジャーの対応が悪いと、その評判は、すぐに同業のIT企業に筒抜けにな
り、優秀人材の異動が頻繁に起きた事例が見られる。
以前のグーグルでは、このような事例が起きたこともあり、今では、社員によるマネジャー調査UFSを
実施したり、People analyticsを全社的に導入した経緯がある。
シリコンバレーで、HR analyticsに熱心な企業が多いのは、当然の結果とも言える。
ここで、学んだ卒業生が、本国に帰国した時には、当然のことながら、同じ環境を期待するので、
People analyticsが、優秀人財の採用に熱心な企業に積極的に導入されるのも、当然の帰結だと言え
る。
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5.第60回 戦略的人材マネジメント研究会:2019年9月30日(月)開催
SHRM2019コンファレンス 視察報告会(JSHRM 月例会)
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今年は、6月23−26日まで、SHRM2019コンファレンスが、ラスベガスで開催されました。今
年は、JSHRM月例会として、9月30日に開催します。
SHRM2019コンファレンスに参加された方も、されなかった方も、これからのグローバル人材マネジ
メントの最新動向を把握するために、是非参加ください。
綿密な事前、事後調査による検討結果を報告しますので、生きた役立つ情報源として、活用できる。
発表予定セッションの詳細は、こちら
戦略的人材マネジメント研究会ブログ:こちら
9月 月例会の申し込みは、こちら
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